千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  
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2013.12.15 Sunday

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2007.09.20 Thursday

「日本の貧困と格差拡大」日本弁護士連合会 編

せ安部首相が倒れた。すわ、一大事!
けれどもそのことに関して、私はとりたててなんの感慨もわかない。しかし、次期総裁候補として立候補した福田康夫元官房長官が、行き過ぎた格差社会は是正したいとのコメントに、わずかな淡〜い期待はいだいている。自民党が、先の参院選で日本経済全体の発展(GDP)で底上げをして貧困層の解消を訴えたが、我が国は米国についで世界で二位を誇る。もう充分だろう。たくさん働かされているし・・・。そうではなくて、所得の再分配を考える段階ではないだろうか。

「下流社会だの何だの、言葉遊びですよ。そう言って甘やかすのはいかがなものか。」
これはザ・アールの代表取締役の発言だが、この中間搾取で営利追求する人材派遣会社の言い分を認識不足の暴言と感じなければ、私は自分のブログを更新している意味がないかもしれない。
格差社会は、着実に固定化され階層化されている。
その格差社会をマクロ経済の問題点ととらえていらっしゃるのが、「2007日本はこうなる」の本で「格差社会」のキーワードを執筆したecon-economeさまだった。そして、セーフティネットの充実で日本の貧困を救い、格差を是正しようという決議をしたのが日本弁護士連合会である。昨年10月5日、「格差を容認することは差別を容認すること」という言葉に、日弁連は初めて人権擁護大会において貧困問題を取り上げた。本書の成り立ちは、その大会での基調報告書、講演、パネルディスカッションをまとめたものによる。

まず最初に紹介されるのが、貧困の原因と実体のデーターと事例である。世界の経済大国ニッポンで確実に広がっている貧困、そして低賃金で働く所謂ワーキングプアの増加、疾病、障害によって就労が困難な事情にも関わらず、生活保護申請を水際で追い返す行政。働かずして生活保護を受ける人々という新聞やマスコミ報道によっていつのまにかすりこまれた受給者への誤った概念や差別意識に気がつく。
憲法25条1項で「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定されている。つまり、セーフティネットはお上の加護ではなく、国民の権利なのだ。しかし、そのセーフティネットが今や危うくなっているのだった。文化的な生活どころか、今の日本で餓死する国民すらいる。

「大丈夫?ニッポンのセーフティネット」というのが、本書のサブタイトルなのだが、大丈夫じゃないから、新たなセーフティネット検討会が発足し、たちあがったのだ。貧困は悪と定義したのは、インドのノーベル経済学者のアマルティア・センだったが、彼の語る広義の「人間の安全保障」という概念を応用すれば、生活保護法も「生存権保障法」などのスティグマ(恥じ烙印)のない名称に改正すべきでもある。これまで、経済面や社会面で取り上げられることの多かった貧困と格差社会を、弁護士の立場で行政と法律面で論議した価値は大きい。

要点は、リンク先の日弁連の「貧困の連鎖を断ち切り、すべての人の尊厳に値する生存を実現することを求める決議」を参照されたい。
本書は、勤務先の会社の図書館の蔵書を借りて読んだという経緯からもおわかりになるかと思うが、利益を追求して会社に貢献する一般のエリート・ビジネスマン向けではない。大学生の一般教養の授業でとりあげるテキストに近いかもしれない。価格は、3150円と少々お高めだが、読んだ後の凝縮した充実感は巷に溢れている格差をキーワードにした本をこえるだろう。法学部生だけでなく、幅広く手にとっていただきたい優れた一冊。

明日誕生日を迎える安部首相が、辞任しても経済的に困窮することはありえない。しかし、53歳の稼動年齢の資産のない一般男性が病気になって失業し、生活に困窮してホームレスになってしまったら、、、やっぱり危うしニッポンのセーフティネット!


2013.12.15 Sunday

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コメント

 遅いレスですみませんが、言及いただきありがとうございます。ご紹介の本、僕も読んでみたいと思います。
 所謂「経済学」としての視点ですと、「どのような所得分配が望ましいか」というのは価値判断の問題ですので経済学では答えをえることはできません。但し、貧困という問題については別でしょうね。
 「失業率が増加した」とか「格差が拡大した」とかといった経済問題はまさに数パーセントの話ですので多くの人にとって無関係な話かもしれません。でも、多くの人が困窮に苦しむ人のことを想像してもらえるような社会になればいいなぁと思います。
2007/10/03 6:42 PM by econ-econome
こんばんは★

コメントをありがとうございます。

>所謂「経済学」としての視点ですと、「どのような所得分配が望ましいか」というのは価値判断の問題ですので経済学では答えをえることはできません

このご指摘は、なかなか深いものがありますね。
経済学は、ロジカルで合理的な分野の学問だと思っていましたが、価値判断になると個々人で当然異なるわけで答えはでないのですね・・・。

>経済問題はまさに数パーセントの話ですので多くの人にとって無関係な話かもしれません

この本を読んで、私はひとつ弁護士の方たちの活動を知りました。
国際弁護士という立場で、ビジネスの最先端で経済活動のアドバイスをする有能な方が活躍する一方で、このように社会的弱者に目を向けて活動される方たちもいらっしゃる。人間は、本当に多様性に富んでいます。

>多くの人が困窮に苦しむ人のことを想像してもらえるような社会になればいいなぁと思います。

押切もえさんプロデュースの1500円もする!ハートの飾りのついたストッキングを買ってしまった自分を、
少々後ろめたく感じています。(笑)
2007/10/03 9:57 PM by
>押切もえさんプロデュースの1500円もする!ハートの飾りのついたストッキング

無粋な突っ込みで恐縮ですが(笑)、この行為は樹衣子さんにとっては後ろめたい(ホント?)のかもしれないのですが、この事で少なくともストッキング業者の方の生活は潤う訳ですよね。押切嬢も潤う。

ご存知の通りですが、困窮に苦しむ人が居るからといって皆で節約したらより多くの人が困窮に苦しむことになる・・という事実は、個人の善意が社会全体に波及した結果、善意にならないという知見をもたらしてくれます。このあたりが「経済学」の知見の良さでしょうかね。
2007/10/07 3:40 AM by econ-econome
そう言えば、一時デフレスパイラルなどと、私のような小心者の消費者をあおるような経済用語が氾濫していたのですが、
マックも値上げし、ユニクロもカシミヤのセーターの販売に力を入れているところを見ると、解消したようですね。

押切もえさんプロデュースのストッキングの購買動機をつらつらと考えてみると、
パッケージのドレスの透けているすそから伸びているもえさんの脚が綺麗だったことです!
ドレスも好みでしたが、商品を手にとった瞬間、頭の中ではこのストッキングをはいた自分の脚が、
そのまんまもえ嬢の脚になってたんですね。
ヒトの妄想って、あな、おそろしや・・・です。

ストッキングといえば、

>皆で節約したらより多くの人が困窮に苦しむことになる

あまりモチがよいのも復活した福助さんにとっても如何なものかと。(笑)
いつも高価なストッキングほど、一日でだめにしてしまう私は、
日本経済に貢献しているかも。
長々と、オンナのくだらなくもせつない事情をおはなししてしまいました。
2007/10/07 11:13 PM by 樹衣子

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