千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  
旧館の「千の天使がバスケットボールする」http://blog.goo.ne.jp/konstanze/

<< August 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

<< 「星ひとつの夜」山田太一ドラマスペシャル | TOP | 旧館「千の天使がバスケットボールする」 >>

2013.12.15 Sunday

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています


| - | - | -
2007.05.29 Tuesday

「ウェブ人間論」梅田望夫×平野啓一郎

uebu昨年最も話題になった著書の1冊、「ウェブ進化論」の著者である梅田望夫氏が、1975年生まれの作家でかなり手ごわい?論客、平野啓一郎氏を迎えて8時間×2の長時間に渡る対談をまとめた本がこの「ウェブ人間論」である。

「ウェブ進化論」がウェブ2.0という本当の大変化がはじまる局面を迎えて、可能性の扉を一緒に開くことの楽天主義的なおもしろさと楽しさを見せてくれたのだが、本書はその進化がもたらす社会、そして人間はどのように変容していくのかを、ジャンルの異なるおふたりが熱く語り合った公開劇場である。(ここで”ジャンルが異なる”と表現しているが、随所に理系人間と作家という文系人間の対比がうかがえる。)

主なテーマーは「ウェブ世界で生きること」「匿名社会のサバイバル」と「人間はネット社会によってどのように進化していくか」になるだろう。
梅田氏は、朝4時に起床して一日8〜10時間ネットにつながっていて「ネットの世界に住んでいる」という感覚をもっていて、ネットがリアルな社会になっている。ネット上の自分の分身がブログと言い切り、前作を上梓した時はほぼトータル1万件の感想コメントをシャワーのように浴びて、そこから見えてくるものもあるとのこと。一方平野氏は、デビュー当時ネットで罵詈雑言をあびた不快な経験から、梅田氏の著書に出会うまではネット社会を、じめじめとした言語空間と感じていた。シリコンバレーでIT関連人種と交わる梅田氏のここでのさわやかな弁舌は、あかるい未来を予感させるが、現実社会での我々だったらネット依存症に近いとも思える。
この点で、作家という観点から「本」というメディアがいずれは消滅するのではないか、逆に本というメディアが小説に許す形式的可能性の限界を示すのではないかという平野氏の模索に、私は共感した。

またブログの登場によって表現するという行為や情報発信することが、簡単に誰もが行えるようになった。人間が自分自身を表現するために、公的領域として出現したのがウェブ社会である。平野氏はこのブロガーの意識を次の5種類の分けている。

’濺鳥瓩里茲Δ房駄召妊屮蹈阿鮟颪情報発信型
▲螢▲觴匆颪任禄縞に発揮できない多様な一面をネットで表現するタイプ
0貅錣瞭記
こ惺擦篌匆颪罵洌気気譴謄優奪箸本音を吐く場になっているタイプ。このタイプはネットの中こそ本当の自分と独白する。
ヌ兪曚閥想のはけ口として、ネットの中だけに新たな人格をつくるタイプ

私自身もまた交流のあるブロガーの方たちも、殆ど◆銑におさまる穏やかなタイプであろう。
ここで注目したいのが、平野氏の小説「顔のない裸体」との関連性である。小説の主人公<吉田希美子>は、あきらかにイ離織ぅ廚箸靴謄優奪箸涼罎任亙未凌由<ミッキー>になりすます。人間のアイデンティティは一つに固定されるものでなく、他者との関連で多様性があるのだが、現実には”顔”の同一性が複数性を抑制してきた。ところが、ネット上ではリアルな顔と切断可能というのが、平野氏の発想だ。確かにネットでは、現実社会のリアルな顔にモザイクをかければ、複数の顔、複数の人格をもてる。更に匿名の欲望が、人間の性的欲望にリンクしやすい。
これを考えると、ITという技術革新は、ひそかに人間自身をなんらかのカタチで変容させていくのかもしれない。
いずれにしろ現実派で楽しみたい梅田氏と哲学から論じる平野氏の対談は、刺激に満ちていて期待をうらぎらない。

一言、この本を読む前に「ウェブ進化論」と「顔のない裸体たち」を一読することをすすめたい。


■アーカイブ
ウェブ進化論
顔のない裸体たち

2013.12.15 Sunday

スポンサーサイト


23:05 | - | - | -

コメント

コメントする









この記事のトラックバックURL

トラックバック機能は終了しました。

トラックバック

無料登録!!上質ブログサイトアクセスアップ
突然のTB大変申し訳ございません。 上質サイトのアクセスアップを応援するサイトの運営を行っております。 貴サイトのアクセスアップにつながり、より多くの方の閲覧により有名なブログに成長されることを心よりお祈りしております。 重ね重ね、突然のTB大変申し訳ござ
(突然のTB大変申し訳ございません。 2007/05/30 8:04 AM)

▲top