千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  
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2013.12.15 Sunday

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2008.05.21 Wednesday

やっぱり「ニュースの天才」

先日、読んだイアン・マキューアンのアムステルダムは、いわば大衆を操作する立場にあるインテリゲンジャーへの痛烈な皮肉が効いていたが、私の中にひっかかったのは、数枚の写真をめぐるコトの顛末と人々の受けとめ方である。外務大臣という要職にあるガーモニーの若かりし頃のスキャンダラスな写真をめぐる高級紙の編集長と、テレビという活字と映像のメディアの対応の違い、そして受けて側の大衆の反応である。発行部数を伸ばすこととガーモニーを失墜させるためにその写真を利用した英国の高級紙に対し、難病の貧しい娘の手術を成功させた小児科医という立場をテレビ・メディアで利用して、国民の心をつかんだガーモニーの妻は、見事に夫のスキャンダラスな写真を”プライベートな趣味”におさめて勝利した。ここで感じるのが、マスコミの大衆への影響力の大きさとその表裏一体のきわどさと危うさである。
これは、我が国でも「光市事件」において、「テレビ報道・番組が、感情的に制作され、公正性・正確性・公平性の原則を逸脱している」と放送倫理・番組向上機構が意見を発表したことにも重なる。裁判に国民感情を反映させることは是とするが、その国民感情に与えるマスコミのあり方に時々疑問を感じる時がある。

ところで、そんな英国に、ニューズ社の最高経営責任者で、メディア王と呼ばれるルパート・マードック氏が上陸する。
情報誌「選択」によると、ロンドンのフリー・ペーパー紙に「ウォール・ストリート・ジャーナル」の紙面広告が掲載された。「ライバルはうたた寝中。これで君の勝ちだ」
勿論、ターゲットは「フィナンシャル・タイムズ」である。現在、ニューズ社が傘下にもつ主な米国企業は、昨年買収した前述の老舗「ウォール・ストリート・ジャーナル」、映画会社20世紀フォックス、FOX社(テレビ)、出版社ハーパーコリンズ。これだけでなく、欧州、アジアまで広がり、総資産額が約690億ドル、収入は310億ドルにもなる。まさに王国なのだが、お金も大事だが、マードック氏の本気分野は、あまり儲からない「新聞」にあると言う。「言葉を使って人々とコミュニケートするスリル」が醍醐味と語っているのだが、若かりし頃のエピソードを知ると、その本気モードの”スリル”がなんとなくわかってくる。
マードック氏は、オックスフォード大学在学中に父を亡くし、母国のオーストリアの小さなふたつの新聞を相続した。
弱冠22歳で「ニューズ紙」の発行人となったマードックス氏は、自ら取材や編集も行い、「マックス・スチュアート」事件を手がけたことが転機となる。当時、少女殺害で絞首刑になるはずだったスチュアートを、ニューズ紙は有罪を疑問視する報道を大々的に行い、死刑を終身刑に軽減させて彼の命を救ったのだった。この時の経験で、マードック氏は政治や司法界におけるメディアの影響力の大きさを実感した。私だって、光市事件では、メディアの司法のおける影響力を実感しているのだから。その後、合理化を断行し、ポピュリズムを主体とした紙面を貫き、次々と利益を所有媒体の投資にまわして買収を続けて、今日の一代帝国を築いた。
何しろこの方の最終目標は、Gacktさんのセリフではないが、「世界制覇」。77歳、タフである。
それにしてもこの方の一番の功績(罪)は、誰もが言うようにニュースとプロバガンダの区分けをなくしたことであろう。
メディア評論家のロイ・グリーンスレード氏によると
「プロバガンダをしながら利益をあげる天才」らしい。
そういえば、『ニュースの天才』という映画もあったな・・・。

2013.12.15 Sunday

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