千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  
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2013.12.15 Sunday

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2008.01.26 Saturday

「コンサートマスターは語る 安永徹」

先日逝去された江藤俊哉氏の門下生のひとりに、ベルリン・フィルでコンサート・マスターを長年つとめている日本人がいる。
現代の音楽シーンにおいて、特別なウィーン・フィルを除けば、名門オケのいたるところに日本人の顔が見える。女性だっている。けれども、安永徹さんが、今から25年前の1983年に、ベルリン・フィルのコンサートマスター(しかも第1)に就任したことは、それ自体ひとつの事件として受け取られていたそうだ。
当時の自分がコンサートマスターになったことより、外国人をコンサートマスターに選んだ方がすごい、という安永さんのコメントを読むと、名門の敷居の高さとそれゆえに実力主義で質の維持をはかる誇り、また安永さんの音楽への気負いのない自信がうかがえる。
先日、部屋の整理をしていてひょっこり出てきた「音楽の友」の1992年1月号に、「コンサートマスターは語る 安永徹」という懐かしい記事が掲載されていた。(ただし、過去記事をほりおこして構成している。)

カラヤン時代に求められたコンサートマスターについて。

「カラヤンが指揮をする時に、コンサートマスターを勤めるのは本当にものすごく大変。彼が求めているのは、とても大きい」

やはりコンマスとしては第1ヴァイオリンが乱れないことに気をつかうが、カラヤンにとって、音楽的にあっているのは当然。指揮者はあわせる必要がない。そうではなくて、音楽をつくるべきなのだから。だからカラヤンが振る時は、たくさん準備して、最初に棒をふる時から全てを理解していないと気持ちが落ち着かなかったそうだ。言葉で翻訳するのでも、頭で理解するのでもだめ、身につき習慣化するまでやらなければいけない、習慣化させれば、どういう表現でも必ずうまくいくことを知っていたカラヤンは、自分の求めている音楽を表現していく。しかも手で。

しかし、これにはお互いに相当な努力を強いられる。カラヤンの忍耐力はものすごいそうだ。オケを自発的に弾かせながら、自分のほんの小さな指先に団員の集中力と音楽的な緊張感を集めて、音楽をやわらかくする。

「小さな指の動きを見つめることは、たいへんな神経の集中が要る。この集中から生まれる音楽的な解放感が、聴いている人にとっては非常な快感だということをカラヤンは体で知っていた」

カラヤンの音楽には、これまで聴衆の期待を計算しつくされた合理性を感じていたのだが、むしろ頭脳プレイではなく「からだで」というところに、ベルリン・フィルの魅力があったのかもしれない。このような高いレベルの職人芸にこたえることができたのも、彼が常任指揮者だったからこそである。安永さんも、客演指揮者の場合は、自分が求める音楽をどこまで要求できるか、という時間的制約がどうしてもあると語っている。

さて、偉大なるカラヤンの後任は、いわずと知れた大統領選挙なみの激戦を勝ち抜いたアバド。クラウディオ・アバドとベルリンフィルのコンビは、圧倒されるような派手なアピールは足りないかもしれないとのことだったが、本当にアバドの音楽は安永氏の”派手”という単語を引用させていただければ、確かに”地味”になる。でも、音楽のしみじみとした味わい、華やかでも瞬間花火のように消えるのも早い音楽とは違った、長く心に残る音楽があったと思う。アバドの就任時、ここ10年はレパートリーの繰り返しでトレーニング不足を懸念していた安永氏の期待にこたえるかのようにレパートリーの幅を広げている途上で病によって任期満了とともに退任した。
現在のベルリン・フィルは、アバドの後任のサイモン・ラトルの手腕によって、映画音楽の録音、ドキュメンタリー映画制作、新境地を開いたかのようにみえるのだが。。。
ベルリン・フィルとともに生きてきた安永氏の率直な言葉による音楽も聞いてみたい気持ちがする。
JUGEMテーマ:音楽



2013.12.15 Sunday

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