千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  
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2013.12.15 Sunday

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2007.11.27 Tuesday

ベルギー・コレクション

nann何かにこだわる、そんなつもりはないのだが、ヴァイオリンがこの世になかったら、多分私はそれほどクラシック音楽を聴くことはなかっただろう。
先日のタイヤが転がる以上に転がったミシュラン狂想曲。「タイムズ」では”Tokyo, the neon-clad home of the pickled sea-slug and horseradish chocolate, has eclipsed Paris, London and New York to become, officially, the most delicious city on earth. ”なんちゃって言ってるが、東京が豊食の街であるのは、東京人だったらもう実感しているだろう。(まっ・・・寂しいことに、舌で実感できる機会は少ないのだが)音楽だって、と力説したい。毎日、海外の一流オケ、演奏家が東京をめざしてやってくる、、、のだが、レパートリーはロシア料理並にバリエーションが貧しくないか。そんな舌のこえた?私の欲求不満を解消してくれるかのようなベルギー・コレクション。デビュー10年たった礒絵里子さんによるヴュータン、イザイ、ルクーのオール・ベルギー・プログラムである。

礒さんは桐朋音楽大学を卒業後、ブリュッセル王立音楽院で研鑚を積み、5年間ベルギーに滞在していた経験によって選ばれた魅惑的な曲ばかりが並ぶ。
イザイは、無伴奏ヴァイオリン・ソナタという難曲で有名だが、今夜の2曲とも実に渋い音楽性をもつ。まるで会場の東京文化会館小ホールのハコにぴったりそうかのように、コンパクトだが、音(性能)が素晴らしく、尚且ついぶし銀のような耀きをもつモダンで個性的な曲である。
さて、今夜のヒロインである礒さんを初めて拝見したのだが、ヴァイオリンをもつ姿勢と弓のもち方が綺麗である。ヴァイオリニストなのだから当然と思われる方もいらっしゃるだろうが、世界のトップランナーでも、楽器のもち方にも個性やその人の癖がでる方もいる。諏訪内晶子さんをはじめ、江藤俊哉氏の門下生は、その点でいつも本当に整っていると感じる。
女性として気になる衣装は、黒いドレスに、帯をしめたプログラムと同じ衣装。ベルギー音楽のイメージにぴったりの織柄の入った黒いドレスに、帯を変わった締め方をして和風のテイストをミックスして彼女の妖艶な雰囲気をミックスさせて、まるで日本の創作料理のような衣装にも感心する。
最初のヴュータンの「失望」は、ピアノの分散和音からはじまり、哀調をおびてヴァイオリンの音が重なり、悩みや胸の鼓動を感じさせるようなドラマ性をおびて、最後にふっとかき消えるかのように虚しく幕を閉じる。女性らしい感性で、曲想の雰囲気がでていた。続いて、アンコール・ピースで使えそうなイザイ、ヴュータンの曲が演奏される。礒さんの演奏は、プロフィールにあるような”ヨーロッパ仕込みの洗練された感性””気負いのないしなやかな活動ぶり”と、女性雑誌好みの音楽性である。
技術も高くて安定している。けれども、なにかがものたりない。ミシュランの格付け話から行き過ぎたグルメは、平凡な料理に満足できずむしろ不幸、と言い放った自分を思い出す。彼女に、これ以上を望むのは贅沢か。
前半、最後のヴュータンの「アメリカの思い出」は、私のとってもとってもお気に入りの曲である。この1曲を聴きたいがために、会場に足を運んだのだ。ヴュータンの曲の特徴は、最初の出だしが重くドラマチックで華麗という点があげられるが、この曲も重音の半音階ではじまり何事が始まるのかと思わせながら、突然あのおなじみの「アルプス1万尺」の軽快な音楽にぬける、というヴュータンらしさの期待にこたえつつ、途中でよい意味で裏切られる。BD線を同時に押さえて重音をだし、即座に次はBA線に指を移して重音、という指が太くない人はかなり苦しい超絶技巧まで要求される。イツァーク・パールマンの名演奏と比較しては失礼を承知のうえで率直にひとこと、技術的には申し分ないのだがエンターティメント性に欠けていると思われる。小曲からはじまり、少しずつボリュームアップして前半最後の最も技巧的に華やかな曲をもってきたプログラムの構成がセンスがよく、”そして確かな技量”(←プロフィールより)をもっているだけに、惜しい。ピアニストの岡田将氏が、楽しそうにピアノを弾いていて彼に負けていると、ついわがままを言ってしまう。

後半のルクーのソナタは、評論家の柴田克彦氏に言葉にある「夢幻的で水も滴る美品」のとおりの大変美しく、わずか24歳で夭逝したルクーらしくまるで夢をみるような淡いはかなさが宿っている曲である。この曲は、礒さんの感性にもっともあっているのだろうか、最初から最後まで音楽の響きに包まれてベルギーを味わった。
オフ・ホワイトのドレスが華奢で小顔な礒さんの清楚な部分もひきだして、とてもよく似合っていて素敵だった。なにはともあれ、ベルギー料理はいける。。。



−−−−−− 07/11/27 東京文化会館小ホール −−−−−−−−−−−−−−
磯 絵里子(Vn)  岡田 将(Pf)
オール・ベルギープログラム
ヴュータン:H. Vieuxtemps: 失望 作品7-2
Désespoir Op.7-2
イザイ:E. Ysaÿe: 遠い過去 作品11-3
3 Mazurkas Op.11, No.3 "Lointain Passe"
イザイ:E. Ysaÿe: 悲劇的な詩 作品12
Poème èlègiaque Op.12
ヴュータン:H. Vieuxtemps: ラメント 作品48-18
Lamento Op.48-18
ヴュータン:H. Vieuxtemps: ロンディーノ 作品32-2
Rondino Op.32-2
ヴュータン:H. Vieuxtemps: アメリカの思い出 作品17
Souvenir d'Amerique Op.17
ルクー:G. Lekeu: ヴァイオリン・ソナタ ト長調
Sonate pour violin et piano
■アンコール イザイ 子供の夢 作品14
デビュー10周年「新しい一歩を」 バイオリン・礒絵里子

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バイオリニストの礒(いそ)絵里子が27日、東京・上野の東京文化会館でデビュー10周年のリサイタルを開く。演奏するのはビュータンやイザイら、留学していたベルギーの作曲家の曲ばかり。「ドイツやフランス、さまざまな周辺文化の空気を映す多彩な表現に、先入観なく耳を傾けて」と語る。
桐朋学園大を卒業後、ブリュッセルに留学した。無伴奏ソナタで知られるイザイの小品の詩的な表現に目を開かれ「思わぬ宝物を見つけた気がした」。
メーンに演奏するのはルクーのソナタ。フランクの弟子で若くして才能を発揮したが、腸チフスのため24歳で亡くなる。「若々しい実験精神が魅力。この曲と一緒に、演奏家として、新しい一歩を踏み出したい」
ピアノは岡田将。11月22日朝日新聞より


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