千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  
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2013.12.15 Sunday

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2007.11.20 Tuesday

マリス・ヤンソンス(指揮)/バイエルン放送交響楽団

mennkon今年の秋は、いつまでも秋らしい空気の冴えた透明感がないとものたりなく思っていたが、先週の土曜日に一気に冬将軍が到来してしまった地方もあるようだ。でも、東京ではもうちょっと晩秋の気分を楽しみたい。なんたって私にとっては、この秋の最後のお楽しみは、マリス・ヤンソンス指揮・バイエルン放送交響楽団の演奏会である。

木枯らしにのって落ち葉がころがる中、向かうはサントリーホール。
前半はサラ・チャン独奏によるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、後半はマーラーの5番。
コバルトブルーに近い鮮やかな色に、裾の部分に赤みがかった薔薇色が交じる韓国のチョゴリを連想する色のドレスを着たサラ・チャン。米国生まれの生粋の米国人だが、”情熱的な演奏”というプロフィールを見るにつれ、チャンが韓国人だということを思い出し、今日のドレスもメンデルスゾーンの名曲にふさわしいブルーを選択しながら、独特の色の組み合わせとドレスのラインが、同郷の先輩格であるチョン・キョンファのような情熱的な韓国女性を意識してしまう。そんなチャンらしいメンコンは、どのような音楽なのだろうか。
冒頭のあまりにも有名なはじまりで、彼女の音はヴィヴラートの幅が広く、また多用しているのが、繊細で可憐というよりも扇情的な印象が残る。表現を変えると、このようなヴィヴラートを”情熱的”になるのかもしれないが、むしろ音量の小ささをヴィヴラートでカバーしているような気もしなくもない。
そして終始一貫して年齢の割には堂々たるスタイルのチャンの演奏は、さすがに安定したテクニックだが、私にはむしろ堅実で生真面目に感じる。第三楽章あたりのオケをリードするかのようなスタイルも好ましくうつるのだが、その一方で音楽上ではもう少しチャーミングな演奏でもよかったとものたりなさも残る。この曲は、ヴァイオリニストの人間性が現われるとよく言われるが、確かにそうである。10代半ばからキャリアを積んできた彼女は、今が第一の”旬”を迎えているのだろうか。

さて、今回の演奏会のスポンサーは、三角合併で新聞でよく紹介されていた某証券会社である。ホールの入口でそれらしきビジネスマンが多かったのでなるほど、と気がついたのだが、CDとプログラムのお土産つきの招待券をもった観客がけっこういらした。せっかく招待券をもらったのだから、とやってきた方にはちょっと厳しいぞ、マーラーの5番。時間も長いし・・・。そんな招待されていない(←なんとなくおもしろくない)一般観客のひとりである私が余計な心配することのなかった、マリス・ヤンソンス指揮のマーラー!トランペットのファンファーレをうけ、弦楽器群の音がはじまると、そこは一瞬にして豊かな音の海。10年前、心臓病で倒れたご老人とは思えないくらい、きびきびとした若々しいヤンソンスの指揮に、オケが一体となって、ある時は勝利の宣言をしたかと思うと、たちまちのうちに現実の混沌に沈み、そして優雅に、甘美に歌いながら音の海はうねりながら最終章になだれこむ。これならサルでもわかるマーラーだ。1時間15分、1分1秒の集中がとぎれることがなく、あっというまに過ぎてしまった。
私は素晴らしい演奏だと感じた。

観客の文字どおりの万雷の拍手の渦の中で考えたのだが、romaniさまのブログで拍手のタイミングに関する議論にもあったように、何故みんなそんなに速く拍手をするのか。曲はまだ終わっていない、、、と私が感じているまもなくいきなりいっせいに拍手。テニスやバレーなどのスポーツではないので、どう考えても早過ぎる。余韻も音楽だ、と苦言をしたい。以前は、こんなことなかったような気がするのだが。


−−−−−−−−− 07/11/20  サントリーホール −−−−−−−−−−−−−−

演奏:Bavarian Radio Symphony Orchestra
指揮:MARISS JANSONS 
ヴァイオリン:サラ・チャン Sarah Chang, Violin

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
Mendelssohn : Violin Concerto in e minor op.64

マーラー:交響曲第5番
Mahler : Symphony No.5 in c sharp minor
JUGEMテーマ:音楽



2013.12.15 Sunday

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23:21 | - | - | -

コメント

奇遇にも私も先週末にセルゲイハチャトリアンとかいう人のメンコンをSF響で聞いてきました。指揮はマイケルティルソントーマスですよ。
メンコンはまあまあよかったのですが、メインでやったアイブスの「祝日交響曲」っていうのがすごかったです。もういいおじいさんなのに、こういう曲に挑戦するマイケルさんってすごいです。
セルゲイさんは若いのにすごーく地味な雰囲気ですが、甘く切ない感じの演奏で別世界に連れて行ってくれました。ビブラートも繊細で美しく、fのところよりもppのところのほうが聞かせてくれる人だったように思います。
普段はCDとかN響アワーを聞くぐらいですが、やっぱり生はいいですねえ。
2007/11/22 4:13 PM by iorinx
>iorinxさまへ

>私も先週末にセルゲイハチャトリアンとかいう人のメンコンをSF響で聞いてきました

あっ、やっぱりセルゲイ・ハチャトリアンさんでしたか。若いけれど、才能のある方のようですね。

>甘く切ない感じの演奏で別世界に連れて行ってくれました

これは最高の誉め言葉だと思いますよ。
指揮者は、いくつになっても気力充分、気持ちも若いようですよね、感心します。
またそれだけ音楽の世界が探求するには、どこまでも果てしがないのでしょうかね。

ところで、今「音楽と社会」という本を読んでいるのですが、
ダニエル・バレンボイムが音楽について興味深いことを言っていました。
「音は束の間のもの、通り過ぎていく。音にこれほど表現力があるのは、呼び出しに応じてくれないのが理由のひとつだ。
絵画のようにカーテンを開けてもう一度鑑賞したり、書物のようにもう一度開けない。そして音楽は音がつくられたときにだけ存在する」と。
私はCDを百回聴くなら一度でも生の演奏を聴きたいタイプです。
バレンボイムの言葉を借りるなら、CDを聴く行為は書物を読む行為に近いです。何度でも再生して全く同じ音を聴けます。ここでは、一瞬のうちに消え去ってしまう音の特質である響きの概念はありません。勿論、完璧な傷のない編集された演奏をCDで聴くことを否定するつもりはありません。手軽に、オンデマンドで音楽にふれる時間は大事な豊かな時間です。
けれども、音楽という芸術分野の特性にこだわると、やはり私にとっては生の演奏が最高ですね♪
2007/11/22 11:01 PM by 樹衣子
樹衣子さま

こんばんは。記事のテーマとは直接関係無いですが、曲名の省略について、チャイコン、メンコン、ポロロク、バラヨン等(ここではメンコンだけですが)、短縮はどうでしょう?確かに一種の利便性はありますが、作曲者がもしこれを知ったら、どのように思うでしょうか。親しみを込めて短縮しているのでしょうか。愛情を込めて短縮しているのでしょうか。
2007/11/23 9:38 PM by calaf
>calafさまへ

貴殿のおっしゃりたいことはわかります。^^
私はなるべく略した言葉を使わないのですが(会話では略したことはないです)、”メンコン”としたのは単純に面倒だっただけです。

>親しみを込めて短縮しているのでしょうか。愛情を込めて短縮しているのでしょうか。

この場合は、親しみと愛情をこめて・・・とお答えしておきます。
2007/11/23 11:23 PM by 樹衣子
樹衣子さまへ

素晴らしい回答でした!?意図が通じてうれしいです。
2007/11/24 12:44 AM by calaf
クラシック音楽のいいところは、電気的増幅や音の加工などをしないところだと思うんですよね。人間の肉体の奏でる音をダイレクトに聞くということろ。これはもうCDとかテレビとは異なる体験です。
そう、演奏を聴くというのは、体験や経験という性質の出来事です。
ところで、樹衣子さんはMP3プレーヤのようなもので音楽を聴いたりするのでしょうか。私自身はちょっと欲しいのでサンタさんにお願いしようかどうかと迷っているところです。

私はそうですね、音楽は聴くより演奏したい方です。大した技術がないのが困り物なのですが。。。
2007/11/26 1:28 PM by iorinx
こんばんは★iorinxさまへ

>MP3プレーヤのようなもので音楽を聴いたりするのでしょうか

便利そうですが、その前にPCの買い替え(二代目ですが、いまだに98)が必要なので当分無理ですね。
私は車の中で聴く時以外は、音楽を環境音楽のように聴けないので、デンマークで買ったバング&オルフェン(←いつも自慢して顰蹙なんですが、宝物なのです)でしか聴きません。もっと自分の時間が欲しいです。
サンタさんがくると良いですね。^^
使い勝手をご報告いただけると嬉しいです。

>私はそうですね、音楽は聴くより演奏したい方です。

演奏に勝る音楽の楽しみ方はありませんね。技術は練習で向上しますし、やっぱり楽器を弾ける方にはかないません。
2007/11/26 11:04 PM by 樹衣子

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ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団
バイエルン放送交響楽団
(Tany&wife's blog from 新浦安 2007/11/23 10:16 PM)

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