千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  
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2013.12.15 Sunday

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2007.11.11 Sunday

ロシアは行きやすいか?おろしや訪問記

ロシアという国は、今は訪問しやすい国なのか。
(iorinxさまのご質問から、思い出すまま訪問の雑感を残しておきます。)
旧ソ連時代の「鉄のカーテン」なるものが、どのように冷たくぶあついものなのかという知識をあいにくもちあわせてはいないのだが、このような疑問をもたれる方は本当に多い。私自身も、1985年に製作された米国映画『ホワイトナイツ』を観た時は、この国には近寄れないと感じた。
この映画は、ミハイユ・バリシニコフ主演のソ連から米国に亡命したバレエ・ダンサー、ニコライがロンドンから東京に向かう途中、エンジン・トラブルによってソ連の空軍基地に緊急着陸したことから始まる。KGBによって拘束された彼は、いわば犯罪者である。自由を奪われ軟禁状態になり、脱出した祖国のために共産主義に適うバレエを踊る人形になるしかこの国では、もはや生きる道は残されていなかったのだが・・・。

やがて22年の歳月が流れ、ペレストロイカがはじまりロシアになり、サンクト・ペテルブルグの街にはマクドナルドの看板がたち、ブランド・ショップがショー・ウィンドーを飾り、ロシアは今、急速に欧米化に向かっている。成田からモスクワまで10時間半、時差(夏時間)5時間。ロシアは近い国となった。そうは言っても、個人で旅行をするにはまだまだ遠い。まず、ビサが必要なのだが、個人で国内のロシア大使館を訪れても一度ですんなりおりないそうだ。そもそもビザを取得するためには、現地受入先機関(現地旅行会社)からの招待状、もしくは確認書、観光の場合はさらにバウチャーなるものを提出しなければならない。このバウチャーとは、宿泊ホテルを決め、交通機関の切符も手配して、その手配が完了したことを示す書類である。(バウチャーには、観劇の予約、空港や駅の送迎、レストランの予約、朝食まで含まれる。)とにかくどこへ行くにも、何を食べるにも”バウチャー”という単語を聞く。ネットで飛行機やホテルなどを予約しても、”ロシア領事館が認める書類のすべて”がそろわないと査証申請はできない。これは、けっこうボリショイ・サーカスまでとは言わないが難技である。キャンセル料のリスクを考えるなら、専門旅行会社に頼った方が良い。ちなみに、私がネットで調べて今回参加したツアーの旅行会社は、ロシアを中心に扱っている旅行会社である。この旅行会社は専属ガイドつきの自分で計画をたてる個人旅行も扱っているし、6人集まれば添乗員のAさんもついてくるそうでお薦め。昔はいろいろなもちこみ企画があり、某大学オケの演奏旅行、シベリア鉄道の中で年末年始のパーティ、シベリア抑留者たちのシベリア訪問なる究極のご年配者ツアーなどあったそうだが、最近は少々寂しい事情のようだ。JTB、日本旅行など、全食事つきで幕の内弁当のように退屈させない企画てんこもりで融通の利く大手旅行代理店におされ気味のようだ。エルミタージュ美術館に行って、あの絵を観た、あそこに行った、体験したという記録型の旅立ちを求める方はそれはそれでよいだろう。近年、ロシアはけっこう人気ツアーらしく、私がレンブラントの”Portrait of an Old Man in Red”の絵から動けなくなった時に、総勢40人ほどの日本人の団体さんがこの絵画の前で3〜5分ほど滞在した。

閑話休題。
旧社会主義時代のシステムの悪しき残影の最たるものが、「サービス精神」の欠如であろうか。モスクワ空港からサンクト・ペテルブルグへの乗り換えには、バスで国内線のターミナルへの移動(東京〜新宿ぐらいありそう)、そこから別のターミナルへの移動(バス)、さらにターミナルから飛行機のタラップまでのバスの移動と関所が何箇所もあり、おまけにロシア語でご案内のアナウンスがあったかも?というくらいの不親切さ。英語は通じない。全く異国情緒たっぷりなのだが、まるで「罪と罰」のソーニャのような制服を着たスチュワーデスが途中からバスに同乗したのだが、小柄で清楚な彼女がもっている携帯電話には、渋谷をたむろする女の子並にピンクの光るストーンが満載ではりついている。
また私が投宿したホテルは、モスクワ・オリンピックのために建設された海に面した巨大ホテルで、部屋数1200室。24時間通貨の交換をしてくれるのが唯一便利な点なのだが、キャパの規模の割にはロビーも小さく、ゲストを歓迎したりもてなす雰囲気がいっさいない。近くの24時間営業のスーパーには何度か通ったが、映画で観るような明るくカラフルな消費社会の米国のスーパーとは様子が異なり、クッキーや飴などの包装も質素で合理的で簡略化されている。買物の楽しみは少ない。消費者の購買意欲をそそるサービスが、いまだ整っていないようだ。靴下、食器などの日用品なども少し置いていたのだが、旧東ベルリンの品物のレトロな雰囲気が逆におしゃれだったことに比較しても、とても買う気にはならないものばかり。
その割にはお酒売場は別格な扱いで、スペースも広く明るく、種類が豊富で充実していることが笑えた。お土産用の可愛いマトルーシュカの容器に入ったウォッカまである。チョコレートはどれも美味。旅行中いただいたロシア料理も、おなじみのボルシチ、ビースストロガノフ、壷焼き、ペリメニ(シベリア風水餃子のようなもの)、ウハー(魚のスープ)、チキン・キーエフ、パン、どれも予想外に美味しかったのだが、よく同じような日本人観光客に遭遇したので、観光客相手のレストランだろうか。ワインが、100〜150ルーブルと日本と同じお値段を考えると、日本人向けの少々お高めだが待たせず、ロシア情緒のある定番のお店かもしれない。ロシアでは、スシバー、ヤキトリが大流行だそうだが、値段は高めでロシア人が握っているそうだ。

サンクト・ペテルブルグで、主要な観光スポットといえばロシア教会である。かって共産主義の唯物史観にそぐわなくて冷遇していた教会だが、今では国のための外貨を稼ぐ道具となってりっぱに復活している。ロシアは、30万円程度の旅費さえ払えば、待つこともなく、トイレ事情をのぞけば快適に美術館、劇場、教会と楽しく鑑賞できると言えよう。また、芸術が好きな方には、満足度が高い国である。そうは言っても、滞在型の気ままな個人旅行や、バック・パッカーなどが気楽に訪れるのは厳しい国である。(続く)

2013.12.15 Sunday

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21:06 | - | - | -

コメント

わぉ。行くのはまだまだ大変なんですね。
ホワイトナイツ覚えています。Say you, Say meですよね。私のイメージもそんな感じです。KGBの尾行がつきそうなイメージです。

樹衣子さんに紹介いただいた「受命」は読んでみましたが、あの北朝鮮みたいな感じでしょうか。

ロシアには優れた芸術が数多く残っているのが不思議かつ、興味深いところです。オケにしてもバレエにしても、どうしてあの国で高い練度を維持できるのかが不思議です。なんのかんのいっても大国なんですよね。最近のロシアの台頭ぶりにも目も見張るものがある。。。らしいですし。
2007/11/13 2:06 PM by iorinx
>iorinxさまへ

>Say you, Say meですよね

そうきましたかーー。ふむふむ。
私は冒頭のローラン・プティの「若者と死」のダンスに魅せられましたね。曲は、確かバッハでした。
ミーシャが踊り終わった後に、いっせいに会場の観客からの拍手がわいて、そこではじめて舞台の最中だったと気つかせる手法が印象に残っています。

>「受命」は読んでみましたが、あの北朝鮮みたいな感じでしょうか。

お読みになりましたかっ。良い小説でしたよね。箒木さんの作品は、どれも水準が高いです。
北朝鮮というよりも、むしろ殆どヨーロッパと変わりないですね。
ただ、個人で旅行の手配まで完全に行うのは厳しいかな、というところです。
ロシア正教などを、どんどん修復して観光客をよんでいるあたり、ロシアも観光が重要な収入源になることをわかってきていると思います。

大国といえば、面積が1707万平方キロメートルと日本の45倍です。世界一国土が広い国ですね。
芸術分野に関しては、国家の威信をかけて力をいれていたこともあります。
旧ソ連時代から、「槌と鍬」だけでなく、芸術も優れていることが国として重要でした。支える層も厚く、教育のシステムも整っていましたしね。
おっしゃるように、なんのかんのと言っても、いろいろな意味で大国です。
2007/11/14 11:15 PM by 樹衣子

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