千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  
旧館の「千の天使がバスケットボールする」http://blog.goo.ne.jp/konstanze/

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2013.12.15 Sunday

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2007.10.08 Monday

「中村紘子のピアノ学院(1)あなたも一流ピアニスト!」より

ナカ名演奏家は必ずしも名指導者になるとは限らないが、やはり演奏家として実践を積んでいる油ののった音楽家は、今聴衆に求められている演奏上のツボをちゃんと把握していると思う。それに教育者とは異なるオーラと色気があるように見受けられる。自分がピアニストになりたかったら、絶対一度はレクチャーを受けたいのが、数々の著書で魅了された中村紘子さまだ。
司会者の黛敏郎氏が亡くなられてから殆ど観ることがなくなった「題名のない音楽会」であるが、昨日はその中村紘子さんによる「中村紘子のピアノ学院(1)あなたも一流ピアニスト! 」という企画。これは観逃せないとばかりに、テレビの前に集中する。

本日の、ピアニストをめざす幸運な生徒さんは3名。
トップバッターの中学2年生の男の子が、ショパンの「バラード第1番」を達者に弾く。真っ白なYシャツに黒いズボン、きちんとした髪型に絵に描いたような典型的なクラシック音楽を学ぶ清潔な感じの男の子の様子が大変好ましい。真剣にピアノを弾く横顔が可愛らしいが、音と表現が平板である。この年齢なら、致し方がないと思うが、紘子先生はフォルテを弾く時は、手のカタチを変えなさいと手のひらを高くあげて実演する。「フォルテを弾く時も、ピアノを弾く時も、同じ手のカタチはありえない。表現によって、手のカタチを変えましょう。」もしかしたらピアノを習うお子さんの間では、これは常識かもしれないし、改めて考えてみたら物理的にあたりまえのことなのだが、私にはまるで目からうろこような感覚だ。ゲームセンターにある景品をつかむゲームをする気持ちでがしっかりとつかむカタチと、わかりやすい説明で確かに音色が変わった。

次は芸術課を専攻する高校生で、前に出演した男の子と逆に今時のスタイリッシュな髪型、服装にまとめている。彼は、一番好きな作曲家のラフマニノフの「楽興の時 第3番」に挑む。コンクール入賞の実績もありうまいのだが、なにかものたりない。すかさず紘子先生が「椅子が低い」と一言アドバイス。「あなたは、ピアノへのこだわりを感じる。」これには彼の雰囲気、ラフマニノフ、演奏から感じたのだろうが、まさに正鵠をえていて、中村紘子さんの慧眼に驚く。「ラフマニノフは、一番ピアノが上手だった作曲家。ショパンのピアニシズムからの流れからピアノ曲の頂点を極めた人。ラフマニノフは大変華やかだけれど、それは重くて暗い華やかさ。それをだすためには、手先で弾くのではなく体をのせて弾きなさい。」この間の指導がすごく熱心である。そこにピアノへの情熱が伝わり、客席の集中しながら楽しんでいる雰囲気が伝わる。

最後は、真紅のドレスを着た東京音大の女性によるラフマニノフのピアノ協2番。無難に弾いてはいるが教科書どおり、というのは経験不足からだろうか。
まず、あなたはオケとあわせるのは初めてでしょ。大変よく弾けたわね、と誉め、本題に入る。
「どじでまぬけで(もしかしたら、紘子センセはのだめを観てた?)下手でも、私の演奏はすごく素敵でしょ!嘘でもそう思い込んで弾かなくちゃいけない。オケは自分のためにある。それがないと、”お上手にお弾きになってらっしゃたわね・・・”で終わっちゃうの。」これは、名言である。
それから小柄の彼女に具体的に、背中が動いていない、もっと体で弾くようにと演奏中の後姿を見せる。

やっぱり、国際的なコンクールの審査員も務めている中村紘子さんの頭の回転力の速さ、的確で説得力ある指導と、ピアノの曲や作曲家の背景を充分に知り尽くした奥の深さと引き出しに感銘を受けた。calafさまがご覧になったら、もっと詳しい解説がかえってきそうだが・・・。


2013.12.15 Sunday

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19:51 | - | - | -

コメント

こんばんは。せっかくの樹衣子さまのご指名ですが、観ておりませんので、コメントできません。もっとも観てもコメントできなかったと思います。中村紘子さんですが、彼女の演奏は残念ながら好きではありませんが、かつて「ピアノとともに」というレッスン番組で観た限りでは相当の教え上手です。たとえ話をするのも大変上手だと思いました。ところで、椅子が低いと、腕の重みを利用できないので、豊かなフォルテが出にくいのです。(出せないのではありません)。グールドがロマン派を弾かなかったのあの低い椅子のせいなんです。
2007/10/09 12:18 AM by calaf
>calafさまへ

>観ておりませんので、コメントできません。

それは実に残念。^^!
calaf様の薀蓄を拝聴するのを楽しみにしていましたのに。
中村紘子さんより江戸京子さんのファンでしたよね。

>相当の教え上手です。たとえ話をするのも大変上手だと思いました。

これは、肉体的なハンディを努力と知恵で克服した日本の先駆者であることと、
やはり読書家らしい頭のよさなのかと思います。

>グールドがロマン派を弾かなかったのあの低い椅子のせいなんです。

いつも思うのですが、よくあんな低い椅子で弾けますよね。
天才の才能と才能に支配される人間の哀しみを思います。。。
2007/10/09 11:09 PM by 樹衣子
これは、日本にいたら是非とも観たかったです!!
夏に帰国していたときには、指揮者にあこがれる一般の方たちが舞台でほんの少しだけオケを前にして振ってみる・・という企画を同番組でやっていました。
 
ヨーロッパなどはまた事情が違うのでしょうけれど、アメリカやアジア諸国の義務教育で、日本ほどに音楽を教えてくれるところはないように思います。 日本人って、普通に小学校に通っただけで楽譜も読めるようになるし、リコーダーとか演奏できるようになりますよね。

こういう番組が長く存在するというのは、日本でクラシック音楽が好きな人の裾野が、少なくともアメリカやアジアのほかの国に比べて、結構広いことなんだと思います。 
2007/10/11 3:26 PM by 有閑マダム
>有閑マダムさまへ

お礼が遅くなりましたが、「わたしを離さないで」のTBをありがとうございました。
珍しく、有閑マダムさんとつなさんとわたしの読書傾向の異なる3人の心をとらえた小説でしたね。

>日本人って、普通に小学校に通っただけで楽譜も読めるようになるし、リコーダーとか演奏できるようになりますよね。

米国では、このような音楽教育は授業にくみこまれていないそうですね。
ただ、もう少し音楽のおもしろさを伝えてくれるとありがたいです。
それに映画侍さんの好きな哲学者、中島さんがおっしゃるように、日本の街はうるさ過ぎます。

追伸:明後日14日はお誕生日ですね。おめでとうございます♪

2007/10/13 12:02 AM by 樹衣子
ありがとうございます!
もう子供のように誕生日に向けてワクワクするなんてことは残念ながらなくなってしまったけれど、お祝いの言葉を頂くと本当にうれしいですね。

樹衣子さんは、ロシアにお出かけとのこと。
音楽、美術、その他堪能してきてくださいね。
きっとまた色々なことを吸収してこられるのでしょう。
お帰りになってからの記事が今から待ち遠しいです。
2007/10/16 10:13 PM by 有閑マダム
こんにちは。
ご無沙汰しております。

超有名ピアニストの公開レッスンですね。
和音のつかみかた、指先のどの部分で弾くか、体重の乗せ方、自分の世界がある演奏か?
このオンエアは見ていませんが 樹衣子さまの記事を拝読する限り 私にも言えるようなアドヴァイスだと思われます(爆)
きっと音楽家から見れば ふつうのレッスンではないでしょうか。

2007/10/24 10:51 AM by emi
>有閑マダムさまへ

今日、帰国しました。
モスクワ、サンクト・ペテルブルグは晩秋で(気温は、日本の真冬程度)、来週あたりから雪が降り、いよいよ長い冬に入ります。
だからでしょうか、室内で行われ、また内面を表現する音楽、美術、演劇など、芸術分野には素晴らしいものがあります。
今回は、実りの大きい秋になりました。
2007/10/24 1:24 PM by 樹衣子
>emiさまへ

お久しぶりです♪
コメントをありがとうございました。

>きっと音楽家から見れば ふつうのレッスンではないでしょうか。

もともとこの番組は、音楽の基礎をわかっていない一般視聴者対象の番組だから、
専門家から見たらごく当たり前のことでも、わかりやすく伝えることに主眼をおいているのかもしれません。
でも、公開レッスンっておもしろいですね。
2007/10/24 1:30 PM by 樹衣子

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